私にとっては、心と身体を結びつけて生きることを可能にしてくれるもの。
かつて、CTI(The Coaches Training Institute)が提供しているリーダーシッププログラムの一部であったことから、出会ったワーク。 1994年にアラン・シーツ、バーバラ・トビー夫妻が発見し、その後研究に研究を重ね、進化し続けているワーク。ニユー・イクエージョンズとは、直訳すると「新しい方程式」。 人は、みんな生まれながらに持っているギフトがある。それは、自然にやっていること、何も考えなくてもやっていること。呼吸のように無意識に使っているリソース（資源）が、あなたにはある。
それは、本当はもっと生きる力に満ち溢れた、自由で、楽で、パワフルなもの。 自分の内側にある資源に気づき、それを最大限に活かすことを、身体感覚を通して実感させてくれるのがニユー・イクエージョンズのワークである。 それは、シンプルでいて、とても深〜い道。

古代エジプトでは、人はそれぞれ異なるギフト/知恵を持って生まれており、1〜9までの数字に宿る意味合いが個々のギフトを象徴すると考えられた。
ニユー・イクエージョンズのワークは、最初、タイピングセッションを受けて、自分自身のギフトが身体のどの部位を通して体感できるかと、自分自身は9つのどの番号のギフトを持って生まれているのかを明確にしてくれる。 タイピングセッションを受けて「あなたの生まれ持ったギフトはね…」と、説明をされたときの反応は大きく2種類に分かれる。 ひとつは、「あっ、だからか！」と、自分が疑問に思っていたことが解決される場合。
自分の弱点とか、直さなくちゃいけないところだと思っていたところが、持ち味に変身する。それは、自分に大きな許可を与えることにもなる。 もうひとつは、「全く自分はそんなギフトがあるとは考えてもいなかった。そういうものがあるんですか、わたしに！」という場合。
今までまったく気付かなかった、使ってこなかった自分の才能に、初めて意識的に光を当てていく。 それぞれ反応は違えども、自身を大きく成長させるきっかけとなる。 しかし、それは単なる始まりであって、ニユー・イクエージョンズの本当の力は、自分自身の内に秘められた生きる力の源にアクセスしながら生きるというシンプルだが、豊かで深い道を歩むところに宿っている。
私もその道を歩んでいるものの一人として、自分の身体の声に素直に応えながら生きることで、楽でいて美しく力強い姿を自分にも、周りの人にも感じて、ただただ感銘を覚えることがある。 「人がこのような心持ちで生きられたら、戦争はなくなる！」と実感できる瞬間である。

ニユー・イクエージョンズで指針とする概念のひとつに、
「評価判断しない。自分に対しても他の人に対しても。それは、ポジティブな方向も、ネガティブな方向についても。」
というものがある。 特に「評価判断しない」は、自分のギフトにアクセスする感覚を持つためには、非常に大切。評価判断のない空間を共有すると、何かが生まれてくる。
そういった驚きの経験は、何十回もしている。 自分自身が自由で、関わる人々のカラーも遺憾なく発揮されていて、それでいて、一体感がある。
そういう関係性が、企業や家族の中にあると、いいなあと思うし、きっとみんなそれに向かって、一生懸命、人一倍頑張って働いているのだと思う。 しかしこれまでやってきた「人一倍頑張ることを手放すこと」が、自分の力を存分に発揮する近道というパターンもある。
今までやってきたことも充分認めて欲しいけれど、別の方向――自分の資源に目を向ける／自身の身体感覚を信じることも試してみて欲しい。